どんなに……βとして生まれたかったか……。





……この世界は……あたしにとって、生きにくい……。






「うっ……んっ」


ダメ。ダメダメ。

来ないで……。治って……。


身体が熱い。

上手く息が出来ない。


ダメ……発情しないでっ……。




パァンッッ!!


勢いよく襖が開かれて、ひどく驚いた。


だけど今のあたしには逃げる力なんてあるはずもなく。


視線だけそっちに持っていき、視界に入った“男”に身体中の血液が沸騰した。


男を欲するこの身体と、脳裏にチラつくお義母さんの顔。



グッと腕で鼻を押さえるその男の人は、この部屋に入ってくる。


「この匂い、マジでやべぇ……」

「やっ……ごめ……な、さっ……」


怖くて、怖くて、涙が溢れる。