あたしはそれを受け取って、頭をペコリと下げた。


「こんな可愛い子が桜夜組にいるなんて。華があって良いわね」

「えっ……」


一瞬照れてしまった。

だけどすぐさま否定する。


「そ、そんなこと……」

「あら。赤くなっちゃって可愛い」


ふふっと柔らかく笑うところと、からかうところは睦美さんにそっくりだ。



「あ、あたしなんて、まだまだです」

「まだまだ？あれ？あなた可愛い顔してそっちの人？」


……？？

そっちとはどっちの人？


頭の中でハテナが浮かんだところで、神楽さんがあたしの前に出た。


「秘密ですよ。内部事情が漏れたら大変なので」

「神楽くんはほんと昔からそうよね〜。絶対桜夜組のことを話そうとしない。良いことだけど」


2人の話を聞いて、少し前の出来事を思い出す。


神楽さん、あたしにも桜夜組のこと話したがらなかったっけ。