「あら!もしかして神楽くん?やだわ〜見ないうちにこんなにイケメンになって……!」
すごく喋るところは睦美さんに似てないかも……。
神楽さんの肩をバシバシと叩く睦美さんのお友達。
「睦美から聞いたわ〜!ここじゃあアレだから、ほら入って入って?お茶淹れるわ」
「いえ。この後用事があるので、お気持ちだけ受け取ります」
微笑む神楽さんを見て、大人だなぁって思う。
断り方がスマートだ。
「あらそう?ちょっと待っててね」
パタパタと掛けていく姿を見て、もう1度視線を神楽さんの方に持っていく。
「この後何か予定があるんですか?」
「いいや」
「あれ?用事があるって……?」
「断る為の嘘。本人がいねぇのに入るわけにはいかねーだろ。遊びに来たんじゃねーんだから」
「……」
びっくりした。
意外と神楽さん真面目なんだ。
……と、言うよりちゃんとした人。
そんなことを思っていると、睦美さんのお友達が戻ってきた。
「はいコレ。お願いね」
紙袋の中にまた袋が入ってて、中に何が入ってるのか全然わからない。