運転してるせいかそれはすぐに終わったんだけど、なんだか無理やり会話を終わらせたようにも思えて。

それ以上聞くことが出来なかったんだ。






   ♢♦︎♢♦︎♢



小さな団地のアパート。

雨が降ってるのと平日ということで、人の気配は無く、静まり返っていた。



神楽さんの後を追うように、エレベーターの中に入れば“3”のボタンが光った。


ここ、アパートなのにエレベーターがあるんだ……。



1から2へ、2から3へ。

モニターの数字が上がっていくのをぼんやりと眺める。



チーンッと音を鳴らして、目的地に着いたことを知らせた。



通路を通って右側の部屋。

神楽さんがインターフォンを鳴らす。



ガチャッとドアを開けて出て来たのは、睦美さんに似て優しそうな女の人だった。