「じゃ、行くか」
そう言って神楽さんは車を走らせた。
申し訳ない気持ちでいっぱいのあたしは、何も話すことが出来ず無言のまま数分経った。
そんな時。
ピカッと目の前で稲妻が走るのが見えて。
「ひゃっ……!!」
思わず声を出してしまった。
び、びっくりしたぁ。
ゴロゴロと音が鳴ると、一段と雨の勢いが激しくなる。
また空が光って。
「ひうっ……!!」
ギュッと身体に変な力が入る。
「雷怖い?」
「え?あ……」
真っ直ぐ前を向いたままの神楽さんが、チラッとこっちを向いた。
「さっきからずっと変な声出してる」
「う、あ……」
自分でもわかってるから指摘されると余計恥ずかしくなる。
「む、昔、倉庫みたいな所に閉じ込められたことがあったんですけど、その時すごく雷が鳴ってて……」