せっかく衣吹さんが復活したって言うのにっ……!


「羽瑠って短気?もしくは根に持つタイプ?」


敦雅さんの言葉にカチンと来た。



「敦雅さんには言われたくないですっ!!」


何も考えずに突っ走って骨折をして。

あたしのこともやろうとした。


「敦雅さん“だけ”にはっ……!!」

「何だよ!“だけ”って!!」

「それにあたし未成年だから買えないです!」


フンッと顔を背けたところで。


「羽瑠。行かねぇと遅くなるぞ」


落ち着いた神楽さんの声に、ハッと我に返る。



そ、そうだった。

こんなところで敦雅さんと言い合ってる場合じゃなかった。



「と、とにかく!あたし買わないですからね!」


それだけ残して玄関のドアを閉めると、外は大雨が降っていた。