「どう言う事ですか?」
ちょっぴり迷惑そうな顔をして、そう言ってるんだもん。
「慧くんは羽瑠ちゃんのボディガードだったわよね?」
「……そうですけど」
にっこりと笑顔のまま、睦美さんはあたしに話したことを神楽さんに説明した。
「昔、何度か連れていったから場所はわかるわよね?」
「はい」
「それじゃあ羽瑠ちゃんと慧くん、申し訳ないのだけどお願いね?お友達には2人が行くっていうのを伝えておくわ」
「わかりました」
スッと頭を下げた神楽さん。
顔を上げた瞬間、視線を衣吹さんの方に移した。
「お嬢はもう大丈夫なんですか?」
「うん、もう大丈夫だよ。ありがと」
「いえ」
今度は軽く会釈をするように頭を下げた神楽さん。
その姿を見つめて、やっぱり大人だなぁって思う。