「ね?」と言って、また申し訳なさそうな表情をする睦美さん。
「だから羽瑠ちゃんが私の代わりにそれを受け取ってほしいの」
言いたいことは何となくわかった。
あたしが睦美さんの代わりにそのお友達の家に行って、ものを受け取ればいいんだよね?
それなら大丈夫。
睦美さん優しい人だし、お友達もきっと睦美さんに似ていい人だと思う。
だから何も怖いものは無い。
「どうかしら?」
「大丈夫です、任せてくださいっ……!」
にっこり笑って見せると、睦美さんの顔もパッと華やかになった。
「ありがとう羽瑠ちゃん!慧くんもお願いね」
「え、」
えっ……。
いつの間にか、睦美さんが神楽さんの腕を掴んでいた。
たぶん、神楽さんは偶然この廊下を通りかかっただけだと思う。