「悪く言わないでください」
ははっと、軽く笑った敦雅さんは、また空を見上げた。
あたしも続くように上を見るけど……やっぱりどんよりしてる。
「クールで何考えてんのかわかんねぇとこあるし、常に落ち着いて人望も厚いいけ好かねー奴が……ねえ?」
「言葉にトゲがあるように聞こえるんですけど……?それにどうして説明口調なんですか」
「言いたくねーことでもあったんじゃねぇの?」
「言いたくないこと……?」
「神楽さんのカッコ悪い所、1度でも見た?」
「ううん。見てないです」
「それじゃね?言いたいことがあっても、カッコ悪くなるから言えなかった、とか」
「そ、そんなこと……っ」
あたしにとってあるはずないのに。
だけどもし、そうだったら……。
昨日の記憶を蘇らせて、敦雅さんの言葉を付け加えてみる。