「そう言えば神楽は?」
「神楽さんなら出てますよ。用事があるって言ってました」
「ふ〜ん。神楽って知ってるんだよね?この事」
「知ってますよ。自分がいない時に柊さんが羽瑠と接触してるって。だから僕に注意して見張ってろ、って言ってましたもん」
「へ〜〜さすが神楽」
にひひ、と笑う衣吹さんはどこか楽しそう。
「お嬢〜!そんなこと言うから柊さんが敵対心を燃やすんですよ〜」
泣き言を言うような声色に、衣吹さんが「ごめんごめん」って笑いながら謝る。
「じゃあお父さんに聞きに行こうよ」
「えっ……組長に?」
「そうそう。そっちの方が早いでしょ」
にっこり笑う衣吹さんは、あたしの腕を引いてもう行こうとしてる。
「後藤は?来る?」
「んー……気になるけど、やめときます」
「そっか。わかった」