「負けず嫌いなのよ。きっと」
なるほど……。
だから、あたしのボディガードをしてる神楽さんに負けたくなくて毎日毎日来てるんだ。
ちょっと納得。
「まぁ羽瑠は、とばっちりだよね」
「えっ……?」
「柊さんの完全なる欲に過ぎないよ」
「欲!?」
「うん。神楽さんより優れた存在になりたいから羽瑠まで取り込もうとする。あわよくばボディガードの変更も夢じゃないってね」
ひ、ひぇ……。
みんな考察すごい……。
「だから羽瑠も嫌ならはっきり柊さんに言った方がいいと思う」
「うっ、そ、そうですね……」
毎日毎日あたしの名前を遠くから叫ぶ敦雅さんを断るなんて……可哀想すぎてできない。
言ったら絶対ショック受けるよ。
神楽さんに敵意むき出しなら尚更。