「ん。よし」


満足気にニッと笑う敦雅さん。

ちょっぴり八重歯が見えて、なんだか犬に見えた。なんて言うのは絶対に秘密。

怒りそうなんだもん。



「なぁ羽瑠。俺にしろよ」

「えっ……?」

「ボディガード」

「あ……えっと……」

「何で渋るの?そんなに神楽さんがいい?」


神楽さんの名前を出され、ドキンと胸が高鳴った。

頭の中で、フッと笑う神楽さんの姿を思い出してドキドキしだす。



「何で俺じゃダメなんだよ……っ!」

「少なくとも人の部屋行くのに一言入れない奴は論外だろ」

「っ!?」


聞き覚えのある声に胸がドキンとした。

確認しなくてもわかる。


襖の方に視線を持っていくと、


ほら。やっぱり。

神楽さんだ。



「おまえのそー言うとこだよ。人の部屋を勝手に開ける奴がどこにいるんだよ」