「ど、どこまで、聞いたんですか……?」

「あー?どこまでって……全部?虐待から両親がいねーことも」

「……」

「そして神楽さんがボディガードしてるって事もな」


自分で聞いておきながらキュッと口を噤んだ。

なんて返せばいいのかわからないし、忘れてた訳じゃないけど、今までのことを思い出したから……。




「なぁ。ボディガード俺に変えね?」

「えっ……?」

「歳も近いし良いと思うんだ」


ズイッと縮まる距離。


「え、えっと……」

「神楽さんの歳知ってる?」

「い、いや……」

「24。7個も離れてんだぜ?絶対俺んが話し合うだろ」

「か、神楽さんは変なこと言わないです……!」

「やっぱだいぶ懐いてんじゃん」

「え……?」


ボソリと呟くような声に何を言ったのか聞こえなかった。

だけど、どこか不機嫌な表情にあたしは戸惑ってしまう。