「柊、さん……」
“わかりました”の思いも込めて、そう呟く。
そしたら1度だけ鋭い視線を向けられた。
だけど、すぐそっぽを向くように柊さんは顔を逸らしたんだ。
「敦雅でいいよ」
「えっ……ど、どうして……?」
「あんた17だよな」
「は、はい……」
たぶん、年齢のこと言ってるんだよね?
「俺も21だし、そんな歳変わんねーだろ」
「えっと……」
そ、そうかもしれないけど、ファーストネームで呼ぶ理由にはならないんじゃ……?
「組長と姐さんと…………あと、お嬢もそう呼んでる」
……それは上のクラスの人では?
仮にも柊さんは桜夜組のNo.2なわけで。
まさに今日、凄さを経験したばかり。
そんな人を下の名前で呼ぶなんて……。
それに。
「組長、“柊”って呼んでませんでした……?」
「あー……あれは……」