そんなことを考えてると、勢いよく襖が開いた。
「!?」
何事かと襖の方に視線を持っていくのと、そこにいた人物を認識した瞬間はほぼ同時。
柊さんがズカズカとあたしの部屋に入って来る。
えっ……!
な、なんか怒ってる!?
眉間にシワ寄ってるよ……!
脇目も振らず、真っ直ぐにあたしめがけて手を伸ばす柊さんに、思わずギュッと目を閉じた。
ポンッ
………え?
肩に乗った手に恐る恐る目を開ける。
「あんたの名前教えろ」
「……へ?」
「名前だ。名前」
「えっ……あ、小林、羽瑠……です」
「羽瑠、ねぇ……」
えっと……。
何この状況。
やけに近い距離に、あたしの肩に未だに乗っている柊さんの手。
予想外の展開にパチパチと瞬きをする。
「あ?俺?俺は柊敦雅」