玄関に向かうと幹部が数人集まっていた。
そして、その中央から1人の男の人が姿を現す。
「ご迷惑かけてすみませんでした」
「皆に礼を言っておけよ。おまえの尻拭いをしたんだ」
頭を下げていた男の人がフッと顔を上げる。
ドキッ
不意に重なる視線に、胸が1度だけ跳ねた。
グレーでもシルバーでもない。
───シルバーアッシュ。
見惚れるほどの綺麗な髪色に息を飲む。
「誰?あんた」
鋭い視線が向けられた。
次の瞬間だった。
えっ……。
一瞬すぎて声も出なかった。
そんなに距離は近くなかったはず。
なのに、気付けば“弾丸”と呼ばれている人が目の前にいた。
「やめろ」
神楽さんの低い声が聞こえて、ハッとする。
神楽さんが、あたしの目の前にいる人を止めるように手を伸ばしている。
そして、その男の人はあたしの胸ぐらを掴もうとしたのか、服が少し持っていかれてた。