「桜夜組にはもう1人、No.2がいるんだ」
「……え?」
No.2が2人……?
「それが今日帰ってくる奴だ」
「……」
まだ見ぬ人物像に、ごくりと息を飲んだ。
「そいつは神楽ほど凶暴ではないが、一度突っ走ると周りが見えなくなるタイプでな。付いた名前が“弾丸”なんだ」
「弾丸……」
「ああ、そうだ。引き金を引いてしまえば最後。並外れた瞬発力で相手に致命傷を喰らわす」
瞬発力、致命傷。
組長の口から出た言葉をどう受け止めたらいいのかわからなかった。
ううん。違う。
“受け止めたら”じゃなくて、受け止めなきゃ。
神楽さんも、その弾丸と呼ばれてる人も、No.2と呼ばれているくらいすごい人。
それが、こっちの世界なんだ。