「神楽。おまえの負けだ」

「そうみたいですね……」


はぁ。と、ため息をついた神楽さん。

……どう言うこと?


「羽瑠は神楽のことをよく見ているな」

「えっと……??」


意図が掴めなくて首を傾げるあたしに、神楽さんの手があたしの頭に乗る。



「あの話を聞いてそう答えるのは羽瑠くらいだ」


えっと……それって、もしかしてバカにしてる?



「褒めてるんだ」


あたしの考えてることがバレたのか、神楽さんはあたしの頭をクシャクシャにした。

それも結構強めに。



うわわ、わっ……!



「か、神楽さん!」


その手から逃げ出すあたしを見て、また組長が笑う。



「仲良いみたいで安心した」


なんて言いながら。




むぅ。

あたしは髪の毛がボサボサになっちゃったよ。


手櫛(てぐし)で乱れた髪の毛を直していると、組長の口から「話を戻すが、」って声が聞こえた。