「“悪魔”の異名を持つ、どうしようもないやつだ」

「あく、ま……?」


あまり良いイメージを持たない言葉に、思わず声に出した。


「逃げる奴らにも情け無用。やるのに何の躊躇いもなく、そのアジトごと潰すんじゃねぇかってくらいの勢いに付いた名前が“悪魔”だ」


神楽さん……が……?

視線を神楽さんの方に持っていくと目が合って。


フッと神楽さんが笑った。



「俺が怖くなった?」


笑った、と言えるのだろうか。

口角は上がってても、向けられたのは鋭い視線。


瞳の奥が危なく光ってる。



「こ、怖くないですっ……!」


たくさん頭を巡らせた。

いろんな事を考えて出した答え。




「神楽さんのそれは、桜夜組のための行動で……神楽さんが優しいの、あたし、知ってるからっ……!」