胸がギュッと熱くなった。
それと同時に、目の奥がツンとくるような感覚に涙が浮かんでくる。
隠すように、少し顔を逸らしている神楽さんは、今どんな表情をしているのか。
……知りたいって、思ったの。
「神楽が守れ。おまえ、強いんだろう?」
「…………会話を妨げて、すみませんでした……」
スッと頭を下げた神楽さん。
組長の顔がこっちを向く。
「神楽はな、桜夜組のNo.2なんだ。言えば“若頭”」
胸がドキンとした。
神楽さんがすごい人って言うのは、何となくわかってたけど……想像を遥かに超えていた。
No.2って組長の次ってことだよね?
さっきのことをふと思い出す。
居間で、頭を下げていた人達のこと。
……だからみんな神楽さんに挨拶してたんだ。