その後ろ姿を見つめていると、「そう言えば今日って言ってたな……」なんて言葉が聞こえて。

あたしは神楽さんの方に視線を移した。



「ん?どうした?」

「今日って、何かあるんですか……?」

「あー……」


考えるように、視線を上に移動させた神楽さん。


「今まで入院してた奴が帰ってくるだけ」

「入院……?び、病気か何か……?」

「いや……」

「??」


歯切れの悪い返事に、あたしは神楽さんを見つめた。

こんな神楽さん珍しい。

どうしちゃったんだろ……?




「俺が教えようか?」


聞こえてきた言葉に振り返ると、組長がこっちに向かって歩いてるのが見えた。


その瞬間、神楽さんは頭を下げた。



「おはようございます」


わわっ……!

あたしも神楽さんに続くように頭を下げて、挨拶をする。