あたしの手なんかちっちゃいって思うくらい神楽さんの手は大きくて。
覆いかぶさるように握っているせいか、すっぽりハマってしまってる。
……ドキドキドキドキ。
骨張った手の甲は、あたしに“男”を意識させる。
て、手汗……やばいかも……。
「……る」
手汗……だけじゃない。
ドキドキして、耳、熱いかも……。
「羽瑠」
急に神楽さんが覗き込んできたから、びっくりして顔を上げた。
「わっ……!な、な……あれ?」
気が付けばあの男の人がいなくなっていた。
それに、いつの間にか会話も終わってる。
……あれれ?
「どーした?ボーッとして」
「う、ううん。何でも、ない……です」
び、びっくくりした……。
バクバクする心臓を押さえて、気持ちを落ち着かせる。
さっきの反動で離れてしまった自分の手を無意識に見てしまって、慌てて視線を逸らした。