うぅ……。
全員に反応しちゃうなんて、ほんと情けない。
もっともっと頑張らなくちゃ。
「すみません、神楽さん。ちょっと今良いですか?」
そんな声が聞こえたのは、やっとの思いで朝食を食べ終えた時だった。
知らない顔に心臓がドキリとする。
わっ、と……と。
逃げ場が無いあたしは視線を泳がせ、思わず俯いた。
「何」
「例の件なんですけど……」
だ、大丈夫。
用事があるのは神楽さんの方。
あたしじゃない。
緊張や不安から、膝の上でグッと握り拳を作る。
そしたら。
あたしの気持ちがバレてしまったのか、握っていた手の上に神楽さんの手が乗った。
ドキッ
「手短にな」
握りしめるように神楽さんの手に力が入る。
……っ、
あたしの全神経、そっちに行っちゃって。
心臓がドキドキと騒がしくなる。