♢side 衣吹♢
シェアしたポテトを羽瑠ちゃんと一緒に食べている時だった。
「えっ?」
声を漏らした男の人が、羽瑠ちゃんの斜め前で止まる。
「……お姉、ちゃん?」
え、
驚いて顔を上げる羽瑠ちゃんに、私も一緒になってその人の顔を見る。
「佑輝……くん?」
「……知り合い?」
つい2人の会話を割ってしまった。
「えと、……前の家の、弟……」
気のせい?
羽瑠ちゃんの様子が少しおかしいような……。
ソワソワしてるように見える。
「えっと、こう言う時って何て言ったら良いんだろ……姉?がお世話になっています?」
頭を下げる弟くんに、私も頭を下げた。
茶髪……。
どっちかっていうと可愛い顔の弟くん。
わりとしっかりしてるんだ。