話し合った結果、メイルとマッシュの元に向かい、話を聞いてみる事にしたのだった。

「あら、2人ともどうしたの?」
「ケインから、鯛貰ったんですが、どうやって調理したら良いのかと思って…」

 私がそう打ち明けると、メイルは例のウサギを抱えて撫でながらああ、そう言う事ね。と口に出す。

「うちはお米と一緒に炊こうと思って。醤油と刻んだ生姜を入れると良いみたいね。レシピ本持ってく?」
「ありがとうございます…!」

 こうしてメイルからレシピ本を受け取り、家に戻った後はリークと読んでみるのだった。

「美味しそうだなあ」
「ね、どれも試してみたいわ」
「とりあえず醤油はある。生姜もあったはずだ」
「お米と一緒に炊いてみましょうか」

 こうして晩御飯が決まった。ここで私は自室で休む事に決めた。眠気もあるし、身体が少しだるい。

「一旦休もうかしら」
「そうだな、休んでおこう」
「お休みなさーい」

 自室にはいり、ベッドの上に自分の身体を投げ出す。

「はあ~」

 これから避難生活が始まる。それもどれくらいかかるか分からない。
 あの男の事だ。自分が納得するまで、民など関係なく戦を続けるつもりなのだろう。

(…)

 そう考えただけで、軽く絶望の淵に立たされるような気分に至る。
 私は布団を被り、目を閉じた。

(また変な夢、見ないといいけど)

 これから先。私達はどうなるのか。
 リークをなるべく戦争には関わらせたくはない。彼の親切さにはいつも感謝している以上、私は彼の想いを尊重してあげたい。

(おせっかいかもしれないけど…)

 それに私も、皇帝キムとはもう関わりたくないし、静かに平穏に暮らしたい。 

(ずっと、静かに暮らすんだ…)

 だが、戦争が本格的に始まりこの国が劣勢に立たされつつある今、その願いは贅沢なのも理解しつつある。

(それでも…)