「よし、お昼ご飯作るか」

　私はリークと共にキッチンに立っている。フェトチーネのミートソーススパゲッティが今から楽しみだ。

「まずはフェトチーネの麺を茹でよう」

　鍋のお湯を沸かし、フェトチーネの麺を茹でる。かなりしっかりした麺なので茹で上がるのには少し時間がかかりそうだ。

「茹で上がる間に、ソースを作りましょうか」
「そうだな」

　にんじん、たまねぎをみじん切りにする。みじん切りにした後は、フライパンにそれらをオリーブオイルと共に入れて火を通していく。

「良い匂いね」

　たまねぎとオリーブオイルの匂いがやんわりと広がっていくのが分かる。

（たまねぎとオリーブオイルの相性良いかもしれない）

　たまねぎが茶色くなってきた所で、ひき肉を入れて更に火を通していく。
　ひき肉がピンク色から灰色になったタイミングで、スパゲッティの茹で汁とトマト缶の中身をフライパンに入れて煮込み始める。

「ナターシャ、スパゲッティもう良さそうだ」
「一本食べてみましょうか」

　硬さと茹で具合を確かめる為に、麺を一本すくい、食べてみる。もちもちとした食感に硬さは無い。これくらいで丁度良いだろう。

「出来てると思うわ。リークは？」
「これくらいで丁度良いな」

　リークが茹で上がったスパゲッティを鍋から取り出してくれている間に、私はミートソースを煮詰め、ヘラで混ぜていく。
　トマトソースの匂いが、キッチン中に広がっていくのが分かる。

「楽しみ…！」

　リークは既に、白いお皿に麺を盛ってくれていた。十分煮詰まった所でソースも完成。白い小皿に盛ったサラダも合わせて、お昼ご飯が出来上がった。

「ソースかけるわね」
「任せた」

　麺の上からソースをかけた後、上から粉チーズを振る。雪のようなチーズが、ミートソースの赤にスパゲッティの黄色と鮮やかな彩りを演出してくれている。

「頂きます」　　　　

　フォークで麺とソースを絡ませてから、くるくるて麺を一口くらいのサイズに巻いて口に入れた。