「初めて見る顔だなあ」
若い男性が、手を顎の下に置いて私達をじっと品定めするように眺める。
「そうよ、さっきここへ来たばかりだもの」
メイルがそう言うと、若い男性は頷く。
「もしかして、避難かい?」
「そうじゃが…」
「やっぱりそうだ。こんな田舎にも避難民がちらほら来てるからなあ」
若い男性はそう、あっけらかんとした態度で言った。
「あんたら、役所には行ったかい?」
「役所とな?」
「駅の近くにあるんだ。避難民はそこで手続きしなきゃなんねえ。ほら、おいらが連れてってやるから」
そういう決まりなら仕方ない。私達は彼に従い、役所に向かう事になった。
「坊っちゃん、名前は?」
道中、メイルが若い男性にそう聞いた。
「自己紹介がまだだったな。おいらはケイン。ザナドゥの漁師だ」
ケインはにかっと笑いながら、私達へ明るく自己紹介してくれた。
「あんたらは?」
「マッシュじゃ、よろしく」
「メイルよ。よろしくね、ケイン」
「リークだ。よろしく」
そして私の番。モアとナターシャで迷ったが、ナターシャの方を選ぶ事にする。
「ナターシャよ、よろしくお願いするわね」
「なるほど、皆自己紹介してくれてありがとな」
ケインは私の名前に突っ込む事は無かった。私は少しだけ心の中でほっと息を吐く。
先程来た道を引き返し、駅まで戻るとそこから前へと更に進む。すると茶色い木作りの建物が間近に見えて来た。
「これが役所だ」
ケインに案内されて中に入ると、人々が慌ただしく働いていた。ここで案内されるままに手続きを終えると、役所を出る。
(思ったより手続き簡単で良かった)
住む場所も、私達が決めた土地で良い事になったのはありがたい。
難関を超え、ふうっと役所の入り口付近で深呼吸をしていると、外で待っていたケインが私へ話しかけてきた。
「ナターシャ、だっけか」
「ええ、そうだけど」
若い男性が、手を顎の下に置いて私達をじっと品定めするように眺める。
「そうよ、さっきここへ来たばかりだもの」
メイルがそう言うと、若い男性は頷く。
「もしかして、避難かい?」
「そうじゃが…」
「やっぱりそうだ。こんな田舎にも避難民がちらほら来てるからなあ」
若い男性はそう、あっけらかんとした態度で言った。
「あんたら、役所には行ったかい?」
「役所とな?」
「駅の近くにあるんだ。避難民はそこで手続きしなきゃなんねえ。ほら、おいらが連れてってやるから」
そういう決まりなら仕方ない。私達は彼に従い、役所に向かう事になった。
「坊っちゃん、名前は?」
道中、メイルが若い男性にそう聞いた。
「自己紹介がまだだったな。おいらはケイン。ザナドゥの漁師だ」
ケインはにかっと笑いながら、私達へ明るく自己紹介してくれた。
「あんたらは?」
「マッシュじゃ、よろしく」
「メイルよ。よろしくね、ケイン」
「リークだ。よろしく」
そして私の番。モアとナターシャで迷ったが、ナターシャの方を選ぶ事にする。
「ナターシャよ、よろしくお願いするわね」
「なるほど、皆自己紹介してくれてありがとな」
ケインは私の名前に突っ込む事は無かった。私は少しだけ心の中でほっと息を吐く。
先程来た道を引き返し、駅まで戻るとそこから前へと更に進む。すると茶色い木作りの建物が間近に見えて来た。
「これが役所だ」
ケインに案内されて中に入ると、人々が慌ただしく働いていた。ここで案内されるままに手続きを終えると、役所を出る。
(思ったより手続き簡単で良かった)
住む場所も、私達が決めた土地で良い事になったのはありがたい。
難関を超え、ふうっと役所の入り口付近で深呼吸をしていると、外で待っていたケインが私へ話しかけてきた。
「ナターシャ、だっけか」
「ええ、そうだけど」