リークは薬草味噌を手に取り興味深そうに見ると、買おうと話してくれた。

「面白そうだ。それに薬草の効果も気になるしな」
「ありがとう、リーク」

 他の調味料を購入して、市場での買い物は終わった。最後は昼食だ。
 私とリークは市場を出て歩く。

「あそこにパン屋がある」
「ほんとね、あるわ」

 アパルトマンの一階にパン屋がある。私とリークは入店し中の品を見て回る。

「これいいな」

 リークが気に入ったのは、コッペパンのサンドイッチだった。レタスにハムとチーズが入っている。

「私もこれにしようかな」

 コッペパンのサンドイッチを2つ、食パンを5枚、フランスパンを2つ購入し、私達は水鏡でリークの家へ戻って来た。

「戻って来れたな」

 リークがそう、確認するように呟いた。私は大きく頷くとリークは安心したかのように笑みを見せた。

「まずは買ったものを片付けよう」
「ええ」

 買ったものを棚などあちこちにしまってから、ようやく昼食となる。
 もうお腹がペコペコだ。

「お腹が空いたわ…」
「こっちも空いたな…」

 こうして、コッペパンのサンドイッチを頬張る。するとチーズとハムの塩気とパンの柔らかさ、レタスのみずみずしさがバランスよく、口の中で合わさっていく。

「美味しい!美味しいわ!」

 これは美味しい。無性にどんどんかぶりつきたくなる。リークを見ると彼は豪快にかぶりつきながら食べている。
 そんな彼を見て、私は思わずふふっと笑った。

(なんか、リークかわいいわね)
「ナターシャ?」
「あ、いや…リークがかわいいなと思って」
「そ、そうか…?」

 リークが照れ笑いを浮かべた。そんなリークが更にかわいいと思ってしまう。
 更に私の顔が赤く染まる。

(なんだこれ…) 

 よくわからないままに、私はコッペパンのサンドイッチを食べたのだった。