「美味しい…!」
カレー粉とスパイスの風味、絡み、香り全てがバランスよく保たれていた。野菜も肉はも味がムラなくしっかり染み込んでいる。
ドロリとした食感のルーは、ごはんと程よく絡み合ってマッチする。
(こんなに美味しかったか?)
と、私はかつての記憶を辿ると、リークからおかわりはあるぞ。という言葉を受けた。
「分かったわ。おかわりも食べるかも」
「おう、どんどん食えよ」
結果、私は言葉通りカレーライスをおかわりしてしまったのだった。
「はあ~」
(食べすぎた…)
ちなみに後宮にいた時は常に腹七分目までに抑えていた。皇太子や皇帝の目の前で、ゲップを出すなど失態があってはならないからだ。
モアとしての生活でも、腹一杯にはあまりならなかったような。
だが、その心配はもういらない。欲の赴くままに食事を楽しんだ私はその流れで自室のベッドに大の字になる。
(せっかくだ。多少はしたなくても大丈夫だろう)
すると、部屋にいきなりリークが入って来る。驚いた私はすぐさま飛び起きた。
「すまない、昼寝中だったか」
「そ、そうよ…」
「良かったら、昼寝に丁度良い所がある」
リークがついて来い。というので私はベッドから起き上がって渋々彼についていく。リークは家から出るとあの大樹に目を付けた。
この大樹、幹の部分をよく見ると魔法陣のような紋様が刻まれている。
「ここだ」
「さっきのツリーハウス?」
「そうだ」
リークが幹の横につりさげられたひものようなはしごを掴み、私へ上へ登るように促して来た。
「わ、わかったわよ…」
ゆっくりと慎重に、足を震わせながらはしごを登り終えると、ツリーハウスにたどり着いた。中は簡素な造りで家具は一切ない。代わりに赤と緑の毛糸で編まれた毛布が数枚、乱雑に置かれてある。
1つだけ空いた窓からは、木々に青い空、山々が連なっている様子が見て取れた。
「景色良いじゃない」
「ああ、昼寝にも丁度良いぞ。昼寝するならここが良い」
「そうなのね…」
リークは無言でその場を後にしていく。私は彼の勧めを無下にするのもどうかと思ったので、試しにこのツリーハウス内で昼寝をしようとしたのだが、この木の床で寝るのはいささか体が痛くなりそうで怖くなってきた。
「この毛布を下に敷いて寝るか…」
床の上に毛布を1枚敷き、その上に寝転んで上から布団代わりに別の毛布を被って寝てみた。
「…」
1時間ほど経っただろうか。寝るばっかりだと体が怠けてしまいそうになるので、この辺で起きる事にする。体はやはりあちこちが痛い。物凄く痛い、という訳でもないが、それでも鈍い痛みが残る。
「うーん…」
ここでの昼寝は少なくとも私は推奨できない。という結論に至った。このスペース内でのんびりお茶を楽しんだり景色を眺めたり読書する分には良いだろうが、寝心地は正直良くない。
「降りて家に戻ろう」
私は毛布を綺麗に折りたたんで部屋の右隅に重ねて置くと、はしごを下って、家の中に戻ったのだった。
カレー粉とスパイスの風味、絡み、香り全てがバランスよく保たれていた。野菜も肉はも味がムラなくしっかり染み込んでいる。
ドロリとした食感のルーは、ごはんと程よく絡み合ってマッチする。
(こんなに美味しかったか?)
と、私はかつての記憶を辿ると、リークからおかわりはあるぞ。という言葉を受けた。
「分かったわ。おかわりも食べるかも」
「おう、どんどん食えよ」
結果、私は言葉通りカレーライスをおかわりしてしまったのだった。
「はあ~」
(食べすぎた…)
ちなみに後宮にいた時は常に腹七分目までに抑えていた。皇太子や皇帝の目の前で、ゲップを出すなど失態があってはならないからだ。
モアとしての生活でも、腹一杯にはあまりならなかったような。
だが、その心配はもういらない。欲の赴くままに食事を楽しんだ私はその流れで自室のベッドに大の字になる。
(せっかくだ。多少はしたなくても大丈夫だろう)
すると、部屋にいきなりリークが入って来る。驚いた私はすぐさま飛び起きた。
「すまない、昼寝中だったか」
「そ、そうよ…」
「良かったら、昼寝に丁度良い所がある」
リークがついて来い。というので私はベッドから起き上がって渋々彼についていく。リークは家から出るとあの大樹に目を付けた。
この大樹、幹の部分をよく見ると魔法陣のような紋様が刻まれている。
「ここだ」
「さっきのツリーハウス?」
「そうだ」
リークが幹の横につりさげられたひものようなはしごを掴み、私へ上へ登るように促して来た。
「わ、わかったわよ…」
ゆっくりと慎重に、足を震わせながらはしごを登り終えると、ツリーハウスにたどり着いた。中は簡素な造りで家具は一切ない。代わりに赤と緑の毛糸で編まれた毛布が数枚、乱雑に置かれてある。
1つだけ空いた窓からは、木々に青い空、山々が連なっている様子が見て取れた。
「景色良いじゃない」
「ああ、昼寝にも丁度良いぞ。昼寝するならここが良い」
「そうなのね…」
リークは無言でその場を後にしていく。私は彼の勧めを無下にするのもどうかと思ったので、試しにこのツリーハウス内で昼寝をしようとしたのだが、この木の床で寝るのはいささか体が痛くなりそうで怖くなってきた。
「この毛布を下に敷いて寝るか…」
床の上に毛布を1枚敷き、その上に寝転んで上から布団代わりに別の毛布を被って寝てみた。
「…」
1時間ほど経っただろうか。寝るばっかりだと体が怠けてしまいそうになるので、この辺で起きる事にする。体はやはりあちこちが痛い。物凄く痛い、という訳でもないが、それでも鈍い痛みが残る。
「うーん…」
ここでの昼寝は少なくとも私は推奨できない。という結論に至った。このスペース内でのんびりお茶を楽しんだり景色を眺めたり読書する分には良いだろうが、寝心地は正直良くない。
「降りて家に戻ろう」
私は毛布を綺麗に折りたたんで部屋の右隅に重ねて置くと、はしごを下って、家の中に戻ったのだった。