夜明けくらいだろうか。部屋の中が少し明るくなった気がする。
「ん…」
私の目が覚めた。ナジャはまだ眠っているようだ。
(このまま起きようか、もう少し寝ていようか…)
すると、部屋の扉がノックも無しに強引に開けられる。扉の向こうには宦官と侍女合わせて4人突っ立っていた。
「朝早いがすまんな!今から移動してもらう!!」
早朝から大きな声を出さないで頂きたい所だが、向こうの表情を見る限りかなり急ぎの事情があるのが垣間見えたのでそう言うのはやめた。
そしてナジャがもそもそと動き、ベッドから起き上がる。
「今から移動ですか…?」
と、ぼそぼそと語るナジャに対し、宦官はうむ。と返事をする。
「皇帝陛下直々の命令だ。さあ、急ぐのだ!」
私達は半ば追い出されるようにして、部屋から退去すると侍女に連れられて別の部屋へと移動する。廊下は冷たく歩く度に冷気が足の裏へ伝わって来る。
廊下をしばらく歩くと、突き当りに扉があった。侍女はその前で止まる。
「こちらになります」
侍女が木で出来た分厚い扉を開いた。すると、2人部屋ではあるが先程の部屋より広くて豪華な内装を持つ部屋が現れる。
「ここですか」
「はい」
「ナターシャ、さっきの部屋よりも…広いわね」
「え、ええ…すごいわ」
ベッドは天蓋付きのものが2つ。ソファに椅子、ドレッサーもある。
「後程朝食をお持ちします」
「ええ、ありがとう」
侍女が去った後、また別の侍女が今度はドレスを持って現れた。
「どうぞ、こちらへ御着替えください」
ドレスは中々に高級感漂う物に見える。私がワインレッド色でナジャが黒のようだ。部屋の中で着替えた時、内ポケットから迷彩魔術のネックレスが出てきたので忘れずに回収する。
そしてナジャから借りていたドレスはそのまま、この部屋に置いておく事にした。
「そのドレスも似合ってるわね、ナターシャ」
「ナジャもすごく似合ってるわよ」
「そう?ふふっ…」
着替えが終わり、侍女が退出する。部屋に2人っきりになった時、私は部屋の中の小さな本棚に古びた本が置かれてあるのに気づく。
「ん…」
私の目が覚めた。ナジャはまだ眠っているようだ。
(このまま起きようか、もう少し寝ていようか…)
すると、部屋の扉がノックも無しに強引に開けられる。扉の向こうには宦官と侍女合わせて4人突っ立っていた。
「朝早いがすまんな!今から移動してもらう!!」
早朝から大きな声を出さないで頂きたい所だが、向こうの表情を見る限りかなり急ぎの事情があるのが垣間見えたのでそう言うのはやめた。
そしてナジャがもそもそと動き、ベッドから起き上がる。
「今から移動ですか…?」
と、ぼそぼそと語るナジャに対し、宦官はうむ。と返事をする。
「皇帝陛下直々の命令だ。さあ、急ぐのだ!」
私達は半ば追い出されるようにして、部屋から退去すると侍女に連れられて別の部屋へと移動する。廊下は冷たく歩く度に冷気が足の裏へ伝わって来る。
廊下をしばらく歩くと、突き当りに扉があった。侍女はその前で止まる。
「こちらになります」
侍女が木で出来た分厚い扉を開いた。すると、2人部屋ではあるが先程の部屋より広くて豪華な内装を持つ部屋が現れる。
「ここですか」
「はい」
「ナターシャ、さっきの部屋よりも…広いわね」
「え、ええ…すごいわ」
ベッドは天蓋付きのものが2つ。ソファに椅子、ドレッサーもある。
「後程朝食をお持ちします」
「ええ、ありがとう」
侍女が去った後、また別の侍女が今度はドレスを持って現れた。
「どうぞ、こちらへ御着替えください」
ドレスは中々に高級感漂う物に見える。私がワインレッド色でナジャが黒のようだ。部屋の中で着替えた時、内ポケットから迷彩魔術のネックレスが出てきたので忘れずに回収する。
そしてナジャから借りていたドレスはそのまま、この部屋に置いておく事にした。
「そのドレスも似合ってるわね、ナターシャ」
「ナジャもすごく似合ってるわよ」
「そう?ふふっ…」
着替えが終わり、侍女が退出する。部屋に2人っきりになった時、私は部屋の中の小さな本棚に古びた本が置かれてあるのに気づく。