小学生6年生から暇つぶしで始めたギターは、いつの間にかライブハウスで弾くことになっていた。

中学が同じだった加那太(かなた)に中学3年のときに誘われ、それから成り行きでここまで来てしまった。

「俺も文化祭出たかったな〜」

「出ようとしたんでしょ?」

「気持ちだけね、なんもしてないけど」

そりゃ出れねえよ

そう考えると、自分は周りに恵まれてるのかもしれない。

「ライブはどうにかなるよ。俺も手伝うし、みんな愛音に頼ろうなんて思ってないよ」

「分かってるよ」