「な、ナガレ……!?ち、違うの!これは……」

「なにがちげえの?」

「っ!」


聞いたこともないような低い声に、女子が相当怯えているのがわかる。


「俺のこと散々悪く言った挙句に、先輩にまで手出すつもり?」


ゾッとするような、うなるような声。相当怒っているのだろうか。


「今までの話……聞いて……」

「おー、聞いてたに決まってんじゃん。逆に聞いてないとでも思ったの?」

「っ、」

冷たく笑う彼が今、どんな表情をしているのか、私にはわからない。
でも、女子二人の表情は、真っ青で、今にも倒れてしまいそうなほどだった。


「さっさと出て行けよ」


___私と彼、二人きりになった教室に、昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。