その後、何年間も、その瞬間の夢を見てはうなされましたが、表面上は平気な顔をしていましたから、私が内心こんなにショックを受けていたと知ったら、彼の方が驚くことでしょう。

 無事に婚約破棄の手続が済んだ後、彼が、友人たちの間で私を笑いものにしていると知ったときは、学園をやめたいという気持ちにまでなりました。



 ですが、そのような状態でも、少しずつ、少しずつ、時は流れていきました。


 それから数年もすると、私は、遅まきながらも、周りの空気に上手く合わせることができるようになりました。
 発言には、細心の注意を払うようになり、後で自分の言動を後悔する、ということも少なくなっていきました。

 決して悪目立ちすることのないよう、身なりや流行にも気を遣いました。
 心から信頼できる友人を得て、周囲にいる人や食事の誘いなども増えていきました。


 少し距離ができて冷静に見てみると、ロビンは、もともと私のような女性はタイプではなく、もっと洗練された女性や、慎ましく淑やかな女性らしい女性を高く評価していることが分かりました。

 以前の私を振り返れば、彼が私との婚約を破棄する気持ちに至ったのも、当然のことだったと思います。