ーかなたー


ーピンポーン

ーガチャ


ゆな「おっはよー!!!」

「おう!おはよ!」

ゆな「ギリギリセーフw」

「なにがだよw」

ゆな「彼方が来るまでに間に合ったw」

「なんだそれw」


そう言いゆなはにっこり笑った。


ゆな「ねえ、かなたー?」

「ん?」

ゆな「今日も一緒に帰れる?」

「ぁあ。一緒に帰ろう」


俺は、ゆなにそう言うとゆなの手を取った。


ゆな「…え?」

「なんだよ」

ゆな「だって手…」

「ゆなはちびだから、車から見えないから危ないだろ?」

ゆな「もおーーー馬鹿にしてーーーー」


そういいゆなは、そっぽをむいてしまった。


「わりぃーわりぃー」

ゆな「ぜったーーーい許してあげないんだから!!!!」

「はいはい」


別に俺らは付き合ってる訳でもなんでもない。
ただの幼馴染だ。
強いて言うなら、俺の片思いってところ……


ゆな「かなた?」

「ん」

ゆな「どうしたの?」

「いや。なんでもねーよ」

ゆな「そっか…」


その時ゆなが悲しそうな顔をしていたのは気づかなかった………



ゆな「かなた?帰りに話したいことあるんだー」

「なに?今でいいだろ?」

ゆな「だーめ!心の準備ってもんがあるのーーー」

「あっそ」


俺は、特に深く考えてはいなかった。
むしろ浮かれていたんだ。
ゆなも俺と同じ気持ちなんじゃないかって……

まさか俺ら…
ゆなと俺の運命の歯車が狂い始めるとも知らずに……