__かっこいいから。

 ただ、それだけの理由だった。

 中学に入って初めての体育祭。
 その熱気に圧倒させられた。
 小学校の時の運動会とは比べ物にならない白熱した戦い。
 青春の光があちこちにきらめく舞台。
 その中心に、威風堂々と立つ応援団。

 学ランに白手袋。
 翻る団旗。
 秋の空を貫く笛の音。
 生徒たちを鼓舞する威勢のいい声に応援歌。

 その中心で全体を指揮するのが、応援団長だ。

 団長だけに与えられる長い鉢巻を風になびかせながら叫ぶ、堂々とした選手宣誓。
 そして優勝の暁に与えられる、優勝旗。
 それを手にした時の、すがすがしい勝者の顔。

 その姿を目にした時からだ。

__私も、応援団長になりたい。

 そう思い始めたのは。