「今日の目的は校内清掃なので。サッカーの応援はそのついでです…」

「ほんと、藍原ってそういうところ真面目だよな」


先輩はクスクスと笑っている。


「それにしても、先輩はどうしたんですか?戻ったほうがいいんじゃ…」

「そうなんだけど、藍原にこれを渡そうと思って」


そう言って先輩が差し出したのは、スポーツドリンクの入った500ミリリットルのペットボトルだった。


「…わたし、お茶持ってきてますよ?」

「お茶だけだと足りないから。それも飲んで」

「これを渡しに…わざわざわたしのところへ?」

「うん。もし藍原に倒れられたら、誘った俺の責任になっちゃうからな」


だれもそんなこと思わないのに。

そう思いながらも、ありがたく渡されたスポーツドリンクを受け取る。


「そういえばもうすぐ夏祭りがあるけど、敦誘ってみたりしないの?」