他の人にわたしがいることが知られたら、またつきまとってるって思われちゃうかも…。


サッカー部の試合は人気だから、よく女の子たちが応援にきてるって聞くし。


なかなか決断できないわたし。


「そうだ!その日、ボランティアを募って校内清掃をやるらしいよ」

「…そうなんですか?」

「うん。だからもし敦に気づかれたら、清掃しにきたって言えばいいんじゃないかな」


羽賀先輩は、サッカー部の試合の情報を教えてくれるだけではなく、なにかあったときの言い訳まで考えてくれていた。


「どうして先輩はそこまでしてくれるんですか?」


わたしの話なんておもしろくもないはずなのに。


すると、羽賀先輩はにっこりと笑った。


「藍原が敦のことを好きなのはわかってたからさ。だからこそ、藍原には幸せになってほしくて。そのためなら、俺はなんだってするよ」