…できない。

できないからこそ、今もまだ好きだから。


「藍原のためなら、俺も協力するよ」

「…え!羽賀先輩が?」

「うん。役に立たないかもだけど」

「そんなことないです!」


わたし1人だけだったら心が折れかけるかもしれないけど、羽賀先輩がいっしょなら心強い。


「そういえば来週の土曜日、ここのグラウンドで練習試合があるんだ。敦もレギュラーで出るから、藍原も応援においでよ」


あっくんの活躍する姿――。

見たい…!


一生懸命にサッカーをするあっくんにわたしは惹かれた。

だから、行けるものなら応援に行きたい。


でも…。


口ごもるわたし。

そんなわたしの顔を先輩はのぞき込む。


「敦に気づかれたら、また気まずい?」

「そう…ですね」


あっくんだけじゃない。