久しぶりに笑ったような気がした。


それからもわたしが中庭で食べていると、たびたび羽賀先輩といっしょになることがあった。


教室ではわたしと話してくれる人はいない。

だからこそ、他愛のない話をしているだけでとても楽しかった。


それに、羽賀先輩はあっくんのサッカー部での様子も教えてくれる。


「すごいなぁ、あっくん」


そんな話を聞いていたら、わたしは改めて実感した。

まだあっくんのことが好きなのだと。


そのわたしの態度は羽賀先輩にもバレバレなようで――。


「藍原は、本当に敦のことが好きなんだな」


そう言って、やさしく微笑んでくれた。


「でも、わたしがまだ好きって知ったら…あっくんも迷惑ですよね」

「どうして?それに、もし迷惑って思われてたら諦められるの?」

「それは…」