永遠くんもあっけにとられて。


「あ、ああ……ごめん……」


なにが起こったのかわからないようすでそう言った。

鷹見くんは手を離すと、


「宮戸さんは女の子なんだから」


不機嫌な顔のまま、引き返して行ってしまった。

な、なんだったんだろう……?


「なあ、璃衣……」


人ごみにまぎれていく鷹見くんの背中を見つめながら、永遠くんが声をかけてきた。


「ん?」

「今のって、あれだよな?」

「あれって?」

「やき──」


永遠くんはなにかを言いかけて、口を押さえた。


「いや、なんでもない」

「?」