「葉桐永遠、だっけ?」
「ど、ども」
ひとりで、えへへと照れ笑いを浮かべているあいだに、鷹見くんと永遠くんが目を見合わせていた。
鷹見くんはあいかわらずのクールな感じだけど、永遠くんは表情がかたい。
永遠くんでも、鷹見くんを前にすると緊張するんだ。
そうだよね。鷹見くんはエリート科のトップ。
しかも、タカミ社長の息子なんだもん。緊張するのもしかたないよね。
わたしも緊張する。鷹見くんと話すときは、ドキドキするんだ。
「永遠くんはわたしと同じクラスなの……って、知ってるよね」
紹介しておいたほうがいいかなと思って紹介したけど、しなくてもよかったことに途中で気がついた。
鷹見くんは、みんなの名前を覚えるくらいだもん。クラスだって、当然のように知ってるよね。
あ、でも、奏音ちゃんと幼なじみだってことは知らないと思うから、それは説明したほうがいいかも。
「永遠か……」
ふと、鷹見くんが聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声でつぶやいた。
……?
「ふたりは、つき合ってんの?」