本人以上に喜ぶ紬を見て、響は柔らかく笑った。
「な、入っただろ?」
「入ったねー!有言実行!さすが得点王!!」
「かっこよかった?」
「かっこよかった!!」
「惚れた?」
「?…惚れた惚れた!!」
最後の問いは、ノリで出た言葉かな?と思いながらも、紬は冗談に乗っかって笑いながら答えた。
すると。
「じゃあ、俺の彼女になる?」
「…へ!?」
響の言葉に反応して、ボンッ!という音が鳴ったのではないかと思うほど、紬の顔が一気に真っ赤に染まった。
「なななななな…なんで!?」
あわあわする紬を見て、響も顔を赤らめている。
口元を片手で隠しながら、響は答えた。
「だってさっき100円玉投げる時、俺『奈木野さんと付き合いたい』って思いながら投げたし。」
「え!?」
「実は同じクラスなってからずっと気になってたし、奈木野さんのこと。」
「ええっ!?」
「くるくる表情が変わるし、ニコニコして明るいし、可愛いなって」
「か、かわ……!?」
「でも俺、駆け引きとか苦手だから、ずっときっかけ作れなくてさ。ちょうどいい機会だし、これで100円入ったら、付き合おうって言ってみようかなって。」
「そ…そうだったの…ね。」
「奈木野さん」
「は、はいっ!」