「…で、結果入らずに、俺の頭に当たったってことか。」
「そ。まさか最後に水瀬くんの頭に当たるとはねぇ…。」
「最後に、って。何回目なの?」
「何回目…?さ、30分くらいやってたからなぁ…。」
「30分!?やりすぎじゃね?」
響が驚いていると、真白が近づいてきて「でしょー?水瀬くんも言ってやってよ!もう神頼みするのは諦めな、って。」と言いながら溜息をついた。
「なに、そんなに叶って欲しい願いなの?」
響が紬を見下ろしながら尋ねると。
「ぜぇっったいに、叶って欲しい!」
両手をギュッと握って拳を2つ、作って見せてから、紬が鼻息も荒く、響を見上げて言った。
「その願いって何なの?大学受験の合格祈願とか?俺ら、まだ1年だけど。」
「えっ!?えっとぉ…『彼氏が欲しいです』っていうお願いを…」
「彼氏ぃ?」
「あ。今『なんだ、そんなことか』って思ったでしょ!?」
「いや、そんなこととは思わなかったけど…30分も格闘して池にも届いてないって、ちょっと…不憫だなと。」
「ふびん…私、ふびん…(泣)」