散りゆく姫




母上の輿入れ前数日
私達は長年住んでいた清洲城を後にし、

北ノ庄城へ向かった



その途中にある宿は勝家の配慮で、

浅井家に関わっていた人が多く集まる
北近江の宿だった。


それを知らない私たちは籠をおりて驚いた。


「近江の、海…と、竹生、島…?」


「ウソ!?
本物なの!?」


私と初がはしゃぐ中
母上は呆然としていた。