「あの、私のせいでご迷惑をおかけしていることは本当に申し訳なく思っていますし、できるだけ協力させて頂きたいなと思っております。ただ、私が住み込みの専属家政婦になったとして、そう簡単に解決するものなのでしょうか?」

 「俺がBistiaの広告塔になることになったから、大丈夫です」

 「えっと……」

言葉足らずな湊に、町田は急いで付け加えた。

 「スキャンダルの記事はまだ発売前なので、その前にこちらから記事を出すつもりです。MINATOが、兄の経営するBistiaの広告塔になり、自らもBistiaのスタッフを専属家政婦として雇っていると。先に出た記事の方が、はるかに信憑性がありますし、何より久我家の兄弟の話題なら、スキャンダルをもみ消す話題としては十分です」

 「あの、何故久我くんのご兄弟の話であれば、話題として十分なんでしょうか?」

 「えっ?」

 町田は驚いて、運転席からミラー越しに紫遥を見た。