外にランチを食べに行く人たちの間をすり抜け、町田の後について行くと、人通りの少ないオフィスの裏に、黒い車が停められているのが見えた。
町田が後ろのドアを開け、紫遥を中へと促す。紫遥が遠慮がちに車に乗り込むと、湊が長い脚を組んで座っていた。
「久我くん……」
「すみません、突然職場に来たりなんかして」
「それはいいんだけど……」
と言いながら、そういえばどうしてここで働いていることがわかったんだろうと紫遥は首を傾げた。
しかし、その疑問はすぐに、運転席に乗り込んだ町田の言葉によって解消された。
「実はスキャンダルを撮られてしまいまして、仮屋さんには色々御協力をお願いしたく、今回伺わせていただきました。相手のことをある程度把握する必要があったので、職場などは大変勝手ながら調べさせてもらったんです」
町田が車のエンジンをつけながら言った。
スキャンダルという、自分とは縁のない言葉に、紫遥は思わず目をパチクリとさせた。
「あの、スキャンダルって……?」
「仮屋さんがMINATOの部屋から出ていく姿を写真で撮られたんです。記事は来週の頭に出るそうです」
「え!?」
「私達もまさかフロアで撮られるとは思わなかったのですが、どうやらオートロックを潜り抜け、中で張り込みしていた非常識な記者がいたようでして」
紫遥は、想定外の事実に、思わずシャツの胸元をぎゅっと握りしめた。
町田が後ろのドアを開け、紫遥を中へと促す。紫遥が遠慮がちに車に乗り込むと、湊が長い脚を組んで座っていた。
「久我くん……」
「すみません、突然職場に来たりなんかして」
「それはいいんだけど……」
と言いながら、そういえばどうしてここで働いていることがわかったんだろうと紫遥は首を傾げた。
しかし、その疑問はすぐに、運転席に乗り込んだ町田の言葉によって解消された。
「実はスキャンダルを撮られてしまいまして、仮屋さんには色々御協力をお願いしたく、今回伺わせていただきました。相手のことをある程度把握する必要があったので、職場などは大変勝手ながら調べさせてもらったんです」
町田が車のエンジンをつけながら言った。
スキャンダルという、自分とは縁のない言葉に、紫遥は思わず目をパチクリとさせた。
「あの、スキャンダルって……?」
「仮屋さんがMINATOの部屋から出ていく姿を写真で撮られたんです。記事は来週の頭に出るそうです」
「え!?」
「私達もまさかフロアで撮られるとは思わなかったのですが、どうやらオートロックを潜り抜け、中で張り込みしていた非常識な記者がいたようでして」
紫遥は、想定外の事実に、思わずシャツの胸元をぎゅっと握りしめた。