「大事なのは『好き』か『そうじゃないか』ただそれだけ。亜矢ちゃんはどっち!?」

「私は、羽倉先生が好きです……」

「ならそれでいいのよ! それ以外の感情なんて邪魔! 必要ない! 分かった?」

「はい……」

 「ならよし!」と、にこにこと笑みを浮かべる仁田先生。

 ……仁田先生が私の心の鎖を外してくれた。

 私は羽倉先生が好きだ。初めて出会った時からこの感情は憧れではなく、恋だったと認めることができた。

 私は羽倉先生を好きでいたい。

 例え羽倉先生が私のことをそういう目で見ていないとしても、私は羽倉先生をずっと好きでいる。