赤間さんは私からそっと離れ、「では赤間は庭を掃除してきますね」と、気を遣ってくれた。


 和登さんと二人きりになる。


 和登さんは、「立ってるのもなんだから、リビングに行こうか」と、私をソファーに座らせてくれた。


「当たり前だろ。俺は亜矢とずっと一緒にいたいし。もちろん、このお腹の子もいっぱい愛情をあげたい」


 和登さんは私の頭を撫でながら語りかけるように口を開いた。


「俺、今まで生きていくうえで、そんなに人に興味はなかったんだけど、でも、亜矢に出会って初めて生涯守っていきたいと思えた。そんな亜矢との子なんだから愛おしいに決まってる」

「和登さん……」

「亜矢に迷惑ばかりかけちゃうかもしれないけど、それでも俺は亜矢と、お腹の子と、これから紡いでいくかもしれない命があれば、皆で幸せになりたいし、そのうえで、俺ありきで幸せにしたい。亜矢には凄く苦しい思いをさせるけど、お腹の子、産んでくれる?」