「わかりました。ありがとうございます」
赤間さんとの通話を終えた和登さんは私の元に近寄り優しく抱きしめた。ふんわりと、和登さんの良い匂いが香る。
私が妊娠しているかもしれないだなんて、全然信じられない。
「亜矢が病気じゃなかったら心の底から安心する。でも、妊娠してたら凄く嬉しい。病院、行こうか。ゆっくりで良いから歩ける?」
返事をし、和登さんの腕を掴みながら車まで移動した。こうして、家を出た私は和登さんと一緒に産婦人科を受診した。
和登さんも一緒に中まで着いてきてくれて、経膣エコーを受けている際に産婦人科の猿渡先生から言われた言葉が、
「おめでとうございます。妊娠していますね。五周目です」
という、おめでたい言葉だった。更にエコーを当てていく。
「これが胎のうですね。これが赤ちゃんが入る部屋になるんですよ。中に輪っか状に見えているのは卵黄嚢です。この卵黄嚢で赤ちゃんの初期の血液が作られるんです」
産婦人科の先生は和登さんに視線を向けた。