今話してみて改めて思う。当初、莉緒香が望んでくれていたように私がベリが丘に住んでも、やっぱり関係性が修復されることはない。
同じベリが丘の街に住んでいても、今後、莉緒香と仲良くはできない。
「で、アンタの旦那どれよ? あのハゲ散らかしたデブ?」
莉緒香が一人の男性を指さして私に質問していると、
「亜矢の旦那は俺ですが?」
莉緒香の横に和登さんが腰掛けた。
莉緒香は和登さんを見た途端、態度と声色を変える。
「はっ、羽倉先生!? な、なーんだ、言ってよ亜矢ー! でも、羽倉先生、いいんですか? この、子何の取り柄もなくてー、過去付き合ってた男性も、だっらしない人ばっかりでー、それって、遠回しに羽倉先生もだらしない男って言われているようなもんですよー?」
和登さんと私に交互に顔を向けながら、話をでっちあげる莉緒香。莉緒香とは高校卒業して以降ずっと連絡を取っていなかったし、私が過去付き合っていた人は知らないはずだ。
少なくとも、そんなだらしない男性と付き合った記憶はない。